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やるせない怒りと後悔-vol.34-

その日、モクと私は穏やかな時間を過ごしていた

仰向けになったモクの口には骨のおもちゃ

両手で器用に挟んで

かみかみしている姿を眺めていた

・・・・・

あれ?

なんか歯がぐちゃぐちゃ?

ていうか、二列に生えてる?

しかも真っ黒・・・

こんなかんじー

写真を撮って病院に向かった

先生は見るなり首を傾げた

去勢手術の時に抜いたはずの歯が

ごちゃごちゃとしていて戸惑っているようだった

(去勢手術については新生モク-vol.25-)

どちらにせよ全身麻酔をして

乳歯を抜かなくてはならないという話しになった

「えーーー!!!」

出来ることなら嫌だ!と駄々をこねたかった

あの痛々しい姿を

また見ないといけないだなんて・・・

モクが不憫でならなかった

支障がないものならそのままにしておいた

だが、乳歯を残したままにしておくと

口の中で様々な問題を引き起こすらしい

そんなことを言われたら

抜かない訳にはいかない・・・

そうしてモクは再び手術室へ

数時間後、

麻酔から醒めたばかりのモクは

看護師さんに抱かれてぐったりとしていた

私「モクーーー」

すぐさま掛け寄り抱っこをしたかった

が、

先生「ちょっと待ってください」

私「あ、すみません」

モクを抱けずに行き場を失った私の手

ソワソワしたままあれこれ説明を受けたが

気持ちはモクへ向かっていた

そして、ようやく!

朦朧としているモクを抱っこした

とても胸が痛んだ

去勢手術をするのが早すぎたのだろうか

タイミングを見誤った自分を

責めざるを得なかった

近年、歯の生える順番がめちゃくちゃだったり

歯並びの悪い子が多いんだとか

ブリーダーに問題があるのだろう

俗に言う『悪徳ブリーダー』

モクが産まれたところがどうだったか?

今となっては知る由もないし

知ったところで何も変わらない

全てが”悪”だとは思っていないが

その組織に対する怒りを感じた

そうは言ってもモクが産まれたところ

出会いのきっかけ

皮肉なものだ

人間なら命の重みを今一度考えてほしい

苦しむわんこ、飼い主を減らしてください

たのんます