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起こるべくして起こった悲劇〜悲しみと愛しさは紙一重〜-vol.66-

【テレビを観て思いっきり笑いたい】

今年の七夕の願い事はこれに決めた

私たちアホ夫婦は

どんなに面白い番組を観ていても

決して声を出して笑わない

ただ肩を揺らしてニタニタとするだけだ

何故こんな不気味な光景になるのか?

その理由はモクにある

落ち着いてテレビに集中できるのは

モクが眠っている時だけ

この時のモクは音に敏感だ

私たちが笑うと

その笑い声に驚いて尾追いをしてしまうのだ

我が家の中心はモク

常にモクを気遣った生活をしている

それでも避けられないことがある・・・

尾追いのあと、モクの口はいつも毛だらけだ

回りながら自分の尻尾毛をむしっているのだろう

そう考えると

いつ起こってもおかしくはなかった・・・

-ある日のお昼寝中-

いつものように突発的な尾追いをし始めた

だが、鳴き方が普段とは明らかに違った

様子を見つつ尻尾に目をやると血が付いていた

“あぁ、遂にこの時が来たか”

心のどこかでいつかはこうなると思っていた

今まで無傷だったのが奇跡なのだ

幸い血はすぐに止まったが、痛みと驚きからか

モクは全く歩かなくなってしまった

尻尾以外にもどこか痛めたのではないかと

心配でたまらなかった

だが、時間が経つにつれ

その心配という感情さえも打ち消す

深い悲しみが押し寄せてきた

自分で自分を傷つけるなんて・・・

『尾追いとはそういうもの』

知ってはいたが、いざ目の当たりにすると

ショックで言葉が出なかった

病院へ向かい到着した頃には普通に歩き

いつものモクに戻っていた

処置後、傷口を舐めてしまわないよう

カラーを着けることになった

そして、帰宅早々おねだりポーズ

ごはんまだ?

かわいそうで悲しくて仕方がないのに

なぜこんなにも愛しさが溢れるのだろう?

『食欲がある』

今回改めてモクのその姿に有り難みを感じた

同時に『尻尾をかじる』

また同じことが起こることへの強い恐怖を感じた

テレビを観て思いっきり笑いたい?

よくそんなくだらない願い事が思いついたものだ

我ながらあっぱれ

そんなものは撤回してこちらにしよう

七夕一生分のお願い・・・

【二度と自分で自分を傷つけませんように】

かっなうーかな?