ドカ雪に見舞われたある年
お向かいのおじさんが言った
「去年少なかった分、今年たくさん降って帳尻を合わせているんだ」
『なるほど』の一言だった
選択を迫られると『両方』と答えていた私
(キュートな宿命-vol.39- を参照)
ただの『欲張り』だと思っていた
だがその根本には『優柔不断』があることを
最近になって自覚した
“どっちにしよう、決められない”
そんな時は他人の意見に委ねて生きてきた
これからもそう生きていくはずだった
だが気付けば私は今
葛藤と決断の日々を送っている
突然訪れた、人生の帳尻合わせ
【キーワード】はモクだった
猛暑から一転
7月に入ったというのに涼しい日が続いていた
お陰で夜中の尾追いが減り
私はすっかり安心モードに入っていた
ところが、外出先から帰宅した
-ある日-
私「モクー!ただいまー!」
モク「おっかえりぃい!(しっぽブンブン)」
ここまではいつも通りだった
だが、何かがおかしい・・・
しきりに尻尾を気にして
座っては立ち、座っては立ちを繰り返していた
"まさか?"
尻尾を見ると案の定、血が付いていた
||||ガビーン||||
『なぜ?』『なんで??』『どうして???』
回りすぎて体が柔らかくなった?
痩せて尻尾に口が届くようになった?
近頃、頻発している尻尾噛み事件
その原因が知りたかった
だが結局は【?】で埋め尽くされしまう
原因が分からなければ予防法もない
日々をやり過ごしていくしかないのだ
次の日の尻尾
![](https://mokutokurasu.com/wp-content/uploads/2022/07/image-300x225.jpg)
今までもそうだった
おそらく寝ている間に悪夢を見たのだろう
事件当日、
外出先から遠隔カメラで様子を見る度に
伏せをしていたので多少の違和感は感じていた
だがまさか、尻尾をかじっていただなんて
思いもしなかった
一人で不安と痛みに震えていたモク
その心情を思うととても胸が痛んだ
経験すればするほど脳に刷り込まれる『痛み』
またしばらくの間
リアルに感じる尻尾の痛みと
今まで経験してきた痛みの記憶
それらと小さなモクとの戦いが始まる
そして私は外出の度に気を揉み続けるのだろう
やはり脳の検査をするべきか?
検査をした結果、脳に異常はなかった
そうなった時に
またトラウマだけが残ったらどうする?
終わらない葛藤と決断
モクと出会ったことで
私の人生が豊かになったように
モクの犬生も豊かであってほしい
毎日不安と恐怖に怯えるモク
穏やかな犬生はいつ訪れるのだろう?
【キーワード】だけでもいいから
こっそり教えてくれないかな?
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