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慣れ親しみ合った、私たち-vol.70-

私がランドセル時代

ある番組から生まれたゲームが一世を風靡した

その名も『イライラ棒』

ルールは簡単

【電極棒を何にも当てずにゴールまで運ぶ】

少しでも何かに当たると爆発してその場で終了

そんなハラハラ感に魅了された幼い私は

瞬きもせずにテレビに見入っていた

母「ちゃんと瞬きしなさい!」

そして遂には家庭用のイライラ棒を手に入れた

-その後、家では-

『バーン・・バーン・・・・バーン・・・』

リアルな爆発音が鳴り響き続けた

-やがて-

『バババババババーン!!!』

母「イライラするんなら、やるんじゃない!!」

私「・・・・・(ぷて)」

まんまと乗せられイライラした私は

ストレスの元凶である家庭用イライラ棒を

『エイッ』と押し入れの奥へと投げ入れた

その日以来、爆発音が鳴り響くことはなかった

-それからかなりの年月が経ち-

そんなエピソードすら忘れていた私の元へ

パワーアップした『イライラ坊』がやってきた

たっだっいっまぁ

ルールは簡単

【無数に設置されたスイッチを押さない】

うっかり押してしまうとその場で爆発の舞

無数のスイッチを避けるのは至難の業だ

初めの頃は『うぎゃぎゃぎゃぎゃ』という

爆発音と共に尾追いとダッシュを繰り返して

四六時中イライラ坊を誤爆させていた

それから試行錯誤の日々が始まり

-2年が経った今現在-

主なスイッチを3つまで減らすことができた

  1. 就寝中の物音や悪夢(これは仕方がない)
  2. 来客時のインターフォンの音
  3. モクの許可なくおもちゃに触った時

と言ってもいつも尾追いをする訳ではない

一切怒らない日もあれば

ちょっとしたことで激怒する日もある

最近ようやく分かってきたことだが

そんな日は大体、

  • 季節の変わり目
  • 雨の日
  • 体のどこかに不調がある
  • 発情期(近くのメス犬に反応?)

そう言ったことが関係しているようだ

のーこんとろーる!

“何が悪くてこうも尾追いをするのだろう?”

そんな風にモヤモヤとし続けるよりも

考えられる要因があるだけで心が軽くなる

“今日はひどいね、雨だからかな?”

“どこか痛いの?注意して見ないとね”

自己満足に過ぎないかもしれないけど

私の感情を細かに察知するモクの前では

自身の心を穏やかに保つ必要があるのだ

それがモクの心の安定に繋がるのだ

あの時、怒りに任せて放り投げたイライラ棒

イライラ坊のスイッチ完全撤去までは

まだまだほど遠いけど・・・

「お母さん!今回は辛抱強く頑張ってるよ!」

そう胸を張って言えるだろう

-2年前-

モク『うぎゃぎゃぎゃぎゃ』と尾追い

アホ夫婦〈そわそわ、たじたじ〉

-そらから1年-

モク『うぎゃぎゃぎゃぎゃ』と尾追い

アホ夫婦「もうイライラ坊なんだからぁ」

-現在-

モク『うぎゃぎゃぎゃぎゃ』と尾追い

アホ夫婦〈無視して台所へ〉

モク『ピタッ。タタタタタ-』

「モクもいくー」

アホ夫婦「どないなっとんねん!」と、思わず関西風

・・・・・

そんな日々も悪くない。