忘れた頃に現れる幻の街
繰り返し見る夢の中で少しずつ開拓をしていき
見始めて数年が経った今、
その街はそこそこ都会になった
大好きなショップが入った商業ビル
初めの頃はショッピングを楽しむだけだった
-別の日-
その商業ビルと直結している
沢山のショップが連なった地下街を発見した
幻の私は大喜びをしていた
-また別の日-
5階分はあるであろう
大きな吹き抜けのある建物の中を歩いていた
そこには1階から3階へ真っ直ぐ伸びた
エスカレーターが何台も張り巡らされていた
絶対に乗りたくないと確かに思ったはずなのに
別の日の夢でちゃっかりと乗っていた
そんなへんてこ世界の地下鉄はトロッコ風
ホームまでは肩幅ほどの狭い螺旋状の通路
私の住むアパートは超レトロで
隣の部屋との間は壁ではなくふすま一枚という
プライバシーのカケラもない造り
そんな状態に幻の私はストレスを感じていた
それでも夢から目覚めた時は充実感に満ちていた
新たな開拓に心が躍り密かな楽しみになっていた
ところがモクと一緒に寝始めてから
そんな私の街づくりはピタッと止まってしまった
代わりに見るのは悪夢
“怖い”、”苦しい”
そんな夢を見て目覚めることが増えた
モクもこんな感じなのだろうか?
無意識のうちに
モクの恐怖心が伝わってきているのだろうか?
起こるべくして起こった悲劇-vol.66- から二週間
可愛い顔で眠りについたはずのモクは
うなされて飛び起きたと同時に尾追いをして
再び自分の尻尾をかじってしまった
あれほど願ったのに・・・
あ、七夕まだだった(´・ー・`)
モクが悪夢を見ているであろう時は
息遣いが荒くなり痙攣、苦しそうな声を出す
そんなパターンが分かってきたため
あまりにもひどい時は
声をかけて起こすようにしている
だが起こそうか迷って様子を見る時がある
私『じーーー』
モク「うぎゃぎゃぎゃぎゃ!」
“やっぱり起こせばよかった・・・”と後悔
前回かじった時は散歩中に
他のわんちゃんと近距離で吠え合ったあと
今回は病院で
耳の治療をしてもらったあとだった
『嫌だった』、『怖かった』
そんな気持ちがモクを支配してしまうのだろう
モクの熟睡中が一日の中で最も緊張する瞬間だ
幻の街づくりはもう十分楽しみました
今度は一緒に楽しい夢を見よう
モクの大好きだけを詰め込んだ世界
そんな空間をつくってみませんか?