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能天気人間をもしのぐ闇の支配-vol.67-

忘れた頃に現れる幻の街

繰り返し見る夢の中で少しずつ開拓をしていき

見始めて数年が経った今、

その街はそこそこ都会になった

大好きなショップが入った商業ビル

初めの頃はショッピングを楽しむだけだった

-別の日-

その商業ビルと直結している

沢山のショップが連なった地下街を発見した

幻の私は大喜びをしていた

-また別の日-

5階分はあるであろう

大きな吹き抜けのある建物の中を歩いていた

そこには1階から3階へ真っ直ぐ伸びた

エスカレーターが何台も張り巡らされていた

絶対に乗りたくないと確かに思ったはずなのに

別の日の夢でちゃっかりと乗っていた

そんなへんてこ世界の地下鉄はトロッコ風

ホームまでは肩幅ほどの狭い螺旋状の通路

私の住むアパートは超レトロで

隣の部屋との間は壁ではなくふすま一枚という

プライバシーのカケラもない造り

そんな状態に幻の私はストレスを感じていた

それでも夢から目覚めた時は充実感に満ちていた

新たな開拓に心が躍り密かな楽しみになっていた

ところがモクと一緒に寝始めてから

そんな私の街づくりはピタッと止まってしまった

代わりに見るのは悪夢

“怖い”、”苦しい”

そんな夢を見て目覚めることが増えた

モクもこんな感じなのだろうか?

無意識のうちに

モクの恐怖心が伝わってきているのだろうか?

こわいでちょ?

起こるべくして起こった悲劇-vol.66- から二週間

可愛い顔で眠りについたはずのモクは

うなされて飛び起きたと同時に尾追いをして

再び自分の尻尾をかじってしまった

あれほど願ったのに・・・

あ、七夕まだだった(´・ー・`)

モクが悪夢を見ているであろう時は

息遣いが荒くなり痙攣、苦しそうな声を出す

そんなパターンが分かってきたため

あまりにもひどい時は

声をかけて起こすようにしている

だが起こそうか迷って様子を見る時がある

私『じーーー』

モク「うぎゃぎゃぎゃぎゃ!」

“やっぱり起こせばよかった・・・”と後悔

前回かじった時は散歩中に

他のわんちゃんと近距離で吠え合ったあと

今回は病院で

耳の治療をしてもらったあとだった

『嫌だった』、『怖かった』

そんな気持ちがモクを支配してしまうのだろう

モクの熟睡中が一日の中で最も緊張する瞬間だ

幻の街づくりはもう十分楽しみました

今度は一緒に楽しい夢を見よう

モクの大好きだけを詰め込んだ世界

そんな空間をつくってみませんか?

今いちょがちーの!