初めての健康診断で先生が口にした
“神経質”
笑い飛ばしたはずの種が
小さな芽となって確実に出始めていた
いつも通りハーネスを着けようとした時のこと
『ガブっ』
予想外の出来事に思考が停止した
急にどうしたのだろう?
戸惑いながらもう一度試みる
鬼の形相でみだれ髪じゃなくてみだれ噛み・・・
そしてこの日、
ハーネス着脱戦争の火蓋が切られることに・・・
舞台は我が家
装備は手袋
アイテムはおやつのみ
アホ夫婦は冷や汗を拭い
真剣な面持ちで戦いに挑んだ
それでも流血を避けることは出来ず
敗北を認めざるを得なかった
-to be continued-
そして警戒心の強さは寝ている時にも
以前は私に撫でられながら
気持ちよさそうに眠っていた
ところが突然噛み付いてくるようになり
近づくことも出来なくなってしまった
“全て敵”
“自分を守るんだ”
そんな意思表示のように見えた
なぜ私のことまで警戒するのだろう
こんなに可愛がっているのになぜ?
ショックで自分のことばかりを考えていた
今思えば、ドッグランでの事件
このあと発覚する長期的なお腹の痛み
それらのストレスが
爆発してしまっていたのかもしれない
(詳細はその香りの真意-vol.21-)
モクの体調や気持ちにまで頭が回らなかった
『性格が変わるのには理由がある』
同じ過ちを繰り返さぬよう強く胸に刻んだ
そして無邪気に遊び回り
私たちに身を委ねていたモクは
いなくなっていた