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プロローグ(序章)-vol.7-

『ギャンっ』

初めて聞く叫びのような鳴き声

それは健康診断の為

便を取る棒を肛門に挿した時のことだった

もちろん驚きや痛みがあったのだろう

だが先生は言った・・・

「神経質かもしれない」

そうは言っても

今まで神経質な子を飼ったことのない私は

その言葉を聞いても正直ピンと来なかった

他の人が握ったおにぎりを食べられないアホ夫婦

こんな会話をしながら笑い飛ばした

「神経質な私たちに似たんだね」

「家族全員神経質!神経質ファミリーだー」

「アハハハハー」

いちゅまで笑っていられるかな

はい、おっしゃる通り

ちなみに検査の結果は以下の通りだった

自己紹介のようなもの-vol.1-の通り

泉門がかなり大きいので

成犬になっても穴が塞がらないと思われる

その為、衝撃には気を付けなくてはならない

オーバーショットだが

恐らく日常生活に支障はない

以上だがずっと気になっていたことを聞いてみた

モクはペットショップのケージの中にいる時から

とにかく体を掻いていた

店員さんに確認したが

明確な答えは返ってこなかった

それを承知で連れて帰ってきたのだが

一歩進む度にカリカリしていて普通ではない

そう感じていた

そのことを伝えると皮膚の状態を診てくださった

だが現時点での異常は見当たらず

環境が変わったことによるストレスかもしれない

ということだった

一抹の不安は残るものの

小さなモクを腕に抱き

「お世話になったことを忘れたか?」

とツッコみたくなるほど

誇らしげな顔をして病院を後にした

可愛いモクは私の自慢だった

だが、これが最初で最後のドヤ顔だった・・・

今のうちに味わうがいい!