『ギャンっ』
初めて聞く叫びのような鳴き声
それは健康診断の為
便を取る棒を肛門に挿した時のことだった
もちろん驚きや痛みがあったのだろう
だが先生は言った・・・
「神経質かもしれない」
そうは言っても
今まで神経質な子を飼ったことのない私は
その言葉を聞いても正直ピンと来なかった
他の人が握ったおにぎりを食べられないアホ夫婦
こんな会話をしながら笑い飛ばした
「神経質な私たちに似たんだね」
「家族全員神経質!神経質ファミリーだー」
「アハハハハー」

はい、おっしゃる通り
ちなみに検査の結果は以下の通りだった
泉門がかなり大きいので
成犬になっても穴が塞がらないと思われる
その為、衝撃には気を付けなくてはならない
オーバーショットだが
恐らく日常生活に支障はない
以上だがずっと気になっていたことを聞いてみた
モクはペットショップのケージの中にいる時から
とにかく体を掻いていた
店員さんに確認したが
明確な答えは返ってこなかった
それを承知で連れて帰ってきたのだが
一歩進む度にカリカリしていて普通ではない
そう感じていた
そのことを伝えると皮膚の状態を診てくださった
だが現時点での異常は見当たらず
環境が変わったことによるストレスかもしれない
ということだった
一抹の不安は残るものの
小さなモクを腕に抱き
「お世話になったことを忘れたか?」
とツッコみたくなるほど
誇らしげな顔をして病院を後にした
可愛いモクは私の自慢だった
だが、これが最初で最後のドヤ顔だった・・・
