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自我の芽生え-vol.14-

初めての健康診断で先生が口にした

“神経質”

笑い飛ばしたはずの種が

小さな芽となって確実に出始めていた

(詳細はプロローグ(序章)-vol.7-)


いつも通りハーネスを着けようとした時のこと

『ガブっ』

予想外の出来事に思考が停止した

急にどうしたのだろう?

戸惑いながらもう一度試みる

鬼の形相でみだれ髪じゃなくてみだれ噛み・・・

そしてこの日、

ハーネス着脱戦争の火蓋が切られることに・・・

舞台は我が家

装備は手袋

アイテムはおやつのみ

アホ夫婦は冷や汗を拭い

真剣な面持ちで戦いに挑んだ

それでも流血を避けることは出来ず

敗北を認めざるを得なかった

-to be continued-

そして警戒心の強さは寝ている時にも

以前は私に撫でられながら

気持ちよさそうに眠っていた

ところが突然噛み付いてくるようになり

近づくことも出来なくなってしまった

“全て敵”

“自分を守るんだ”

そんな意思表示のように見えた

なぜ私のことまで警戒するのだろう

こんなに可愛がっているのになぜ?

ショックで自分のことばかりを考えていた

今思えば、ドッグランでの事件

このあと発覚する長期的なお腹の痛み

それらのストレスが

爆発してしまっていたのかもしれない

(詳細はその香りの真意-vol.21-)

モクの体調や気持ちにまで頭が回らなかった

『性格が変わるのには理由がある』

同じ過ちを繰り返さぬよう強く胸に刻んだ

そして無邪気に遊び回り

私たちに身を委ねていたモクは

いなくなっていた

おれにちかづいたら、やけどちるじょ