●生後3ヶ月目●
ようやくおやつをあげられるようになった
でもただではあげない
あくまでもご褒美です
我が家から”ちびシュタイン”が誕生した
『おすわり』から始めた数々の芸
モクにとっては朝飯前
その習得の速さに驚いたバカ親夫婦は
毎日お祭り騒ぎだった
おやつがあれば従順になる犬(モク)
噛み癖にも活用した
暴れて噛み始めたら『待て』からのおやつ
悪いことをしていたら『ダメだよ、おいで』
私の前に来ておすわりをしたらおやつ
あんなに頭を抱えていたモクの暴走は
良くも悪くもおやつ一つで収まりつつあった
少し前までは私の言動に目もくれなかった
だが芸を教えてからは話しに耳を傾け
しっかりと目を見るようになった
【叱ってやめさせる】→【やめたら褒める】
その転換がモクを劇的に変えたのだった
“犬は飼い主次第”
その言葉の意味を痛感した
同時に”主従関係”という言葉に疑問を持った
モクを飼っていなかったら何の疑いもなく
教科書通りのしつけをしていただろう
“犬のご飯は飼い主が食べてから”
“散歩の時は前を歩かせない”
だが一緒に暮らしていく上で困ることがない限り
こちらの優位性を示すようなしつけは必要ない
そう思い始めた
「飼い主のことを下に見ているから噛むんだ」
「だから言うことをきかないんだ」
よく聞くこのフレーズ
ただ単にルールが伝わっていないだけなのでは?
どんな子だって噛む時は噛むもの
その子の性格に合わせてルールを教えていく
こちらの方がよっぽど重要に思えた
人間に比べて寿命の短いわんこ
出来る限りのびのびと楽しい日々を送ってほしい
いつも先頭を切って楽しそうに歩くモク
前の私ならなるべく横を・・・
そんなことを気にして楽しく歩けなかった
だが主従関係という概念を捨てた今
その姿が一番好きで
私を幸せな気持ちにさせるのだ