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彩り豊かなしっかりベース〜開放を好む閉鎖男のマル秘レシピ〜-vol.85-

それは私が中学生時代、体育祭でのことだった

年に一度のワクワク感を胸に

皆が列になりしゃがんで待機をしていた

そんな時、目に入ったのは保護者席の四人組

横一列に並び黒々としたサングラスをかけて

腕組みをしながらこちらをジッと見つめていた

するとそれを見た隣の男の子が私に囁いた

「あの人たち、誰の保護者かな?怖いね。」

私は出来る限りの平静を装いとぼけて見せた

そう、もうお気づきだろうが…

ここで正式にカミングアウトさせて頂きます

『私の両親とじぃちゃんばぁちゃんだよ。』

これは苦い思い出か?

いいや、

バックの威圧感を感じながらも

どこか不思議と『安心』してしまった

そんな良き思い出だ

今のモクになら分かるだろう

この時の私の心情が

モクへの愛が溢れると

ついついやってしまっていたバックハグ

だが、モクの反応は…

『やめろやー!!』と、怒りの尾追い

少し悲しくなるほど拒絶されていた

それなのにいつの頃からかお決まりになった

『眠る時はママにバックハグをしてもらいます』

この体制で寝るようになってから

悪夢を見て飛び起きても尾追いをしなくなった

それだけてはなく日常にも良い影響を与え

お尻あたりを触っても怒らない

抱きついても怒らない

以前のモクからは想像もできないくらい

ボディタッチに寛大になったのだ

就寝時という一番無防備な時に触れられ

モクの中での許容ラインが変わったように思う

顔にまとわりつくモクのモジャ毛によって

眠れない時があるが我慢の甲斐があるようだ

君もついに知ったか

圧の中には『安心』が隠されていることを

これ、くせになるね

人間以上に複雑な心を持ったモク

ひとまず『安心』は確保した

他に何が必要だろう?

…そうだ!

『刺激』と『リフレッシュ』を与えてみよう

思い立ったらすぐ行動の私は

主人(前に飼っていた子)が不在になっていた

庭の小さなドッグランをモク仕様に改良した

モクは罪名【なんでも食べちゃう】のせいで

使用を禁じられていたのだ

そんなモクのために防草シートを敷いて

土や草を隠して食べれないようにした

そして、いざ放犬…

早速キャピキャピと食べ物を物色していた

何もないことが分かるとちょこまかと歩き回り

風に乗ってやってくる様々な匂いを嗅いでいた

その姿はとても充実しているように見えた

おとなりさん、今日はカレーだね

でも私が少しでも離れると…

おいていかないよね?

ベッタベタのくっつき度と共に

『信頼』の念を感じることが増えたここ最近

中でも今年の予防接種は特別だった

暴れ噛みの経歴を持つモクが

遂にカラーなし注射に挑んだのだ

おさえ係に指名された私

モクが動かぬよう抱き締めるように固定した

先生「……(チクッ)」

モク「………」

終始無反応で心拍数も正常だった

“やっぱりね”

今のモクなら絶対に大丈夫だと思っていた

私のことを信じて身を委ねてくれたに違いない

そんなモクが愛しくもあり誇らしくもある

信じているから背中を向けられる

信じているからはしゃぎ回れる

信じているから頑張れる

結局のところ、

『信頼』が一番の薬なのかもしれない

モクもそうおもうよ

間近に迫る夏

今年は尾追い暴君…連れてこないよね?

私もモクのこと信じてるよ…