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病は気から〜深夜の闇とモクの闇〜-vol.57-

心に闇を抱えたモクは暗いところが嫌い 

暗さはモクの不安を掻き立てるようだ

そんなモクが切に願っていたのは

同じ布団で朝まで一緒に眠ることだった

今思えば、初めて尾追いをしたのも

寝る前にケージの中に入れようとした時だった

一人になる時間も必要だと考えていた私と

そんなものは必要ないというモク

お互いの考えを決して曲げようとしなかった

約一年半の戦いの記録

飼い始めた時からずっとケージの中だった

徐々に入るのを嫌がり尾追いという形で

拒否感をあらわにした

(詳細は赤信号-vol.19-)

ケージをなくして一階を開放した

好きな所で眠れるようにしたが

寂しさからか遠吠えと激しい尾追いが続いた

(詳細は諦めが得た守り-vol.22-)

同じ部屋で眠ることにした

私のベッドの横に柵で囲った小部屋を作った

初めは喜んでいたが何日かすると

小部屋に入る度に尾追いをするようになった

(詳細は理想と現実-vol.36-)

柵をなくして二階を開放した

すると意外にも空き部屋を好み

そこで一人で眠るようになった

だが悪夢を見るのか激しい尾追いをして

走って私達の部屋に来ることが多かった

(詳細は軟弱男の労労(ろうろう)看護-vol.51-)

その後、体調を崩したモク

看病のため、一階に布団を敷いて一緒に眠った

そして決意

ベッドで一緒に眠ることにした

尾追いをしてベッドから落ちる可能性があった

そのため、ベッドを壁に付けて

万が一落ちても怪我をしないよう

ベッドの周りの床には布団を敷き詰めた

一緒に寝始めてから

夜中の尾追いはほとんどしなくなった

『ある程度の距離はおくべき』

その考えを曲げる気はなかったが

モクの尾追いに直面して

その信念は段々と揺らいでいった

だが、時すでに遅し

激しい尾追いをするようになってからでは

同じベッドで寝ることは難しかった

今回、そんな状態でも

勇気を出して一緒に寝る事にして良かったと思う

でもその反面、私の信念は間違いだったのか?

それが分からなくなってしまった

一般的な『犬のしつけ方』

モクには初めから通用しなかった

問題犬と言われるわんこが増えている背景には

モクのように枠にはまったしつけが

合わない子が増えたことが一因のように思う

学んだしつけ方でうまくいかないようなら

すぐに切り替えて別のしつけ方を模索する

その重要さを知った

でないとわんこの心が壊れてしまう

【十人十色】のように

わんこが10匹いたらしつけ方は10通り

このことをもっと沢山の人に知ってほしい

そう思った

一緒に寝れて嬉しいのは分かるけど

ちょっとくっつきすぎじゃない?

それって罪でちゅか?