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赤信号-vol.19-

生後6ヶ月を過ぎようとしていた頃

モクは極度の甘ちゃん(甘えん坊)となり

常にスキンシップを求めてきた

一日中ベタベタと付きまとい

私にロックオンしたその監視システムは

大手のセキュリティー会社を彷彿とさせた

鏡に映る私とモク

絶対目合ってるよね?・・・

そんなモクが一人で眠れる訳もなく

私が動き回っている間は監視をしつつ

船を漕ぎながら待っていた

まだでちか?

私が座ることでやっと眠りにつく

この感じ、嫌われているとは到底思えない

むしろ好かれすぎて困っているぐらい

それなのにどうして噛み付いてくるのか?

不思議でならなかった

-事件勃発-

夜は一階のケージの中で寝かせていた

ある日、寝る前にいつも通りモクを抱っこして

ケージの中に入れようとした

すると、ものすごい勢いで噛みついてきた

“はぁー・・・またか・・・”

あれも嫌、これも嫌

一体どうしろというのか

この先もずっとこの調子だったらどうしよう

エスカレートするモクの噛みつきに不安になった

『だから、これだけは譲らない!』

そんな気持ちであの手この手を使い

ケージの中に入れ続けた

そうしているうちに寝る準備をすると

明らかに嫌な顔をするようになった

そして3日ほど経ったある日の夜

ケージの中に入れた瞬間

「ギャンギャンギャンギャン」と騒ぎながら

自分の尻尾をかじって回転していた

一体何が起こっているのか?

初めて見る光景に唖然としたアホ夫婦は

傍観することしか出来なかった

“いつかは受け入れてくれるだろう”

そう信じていたからこそ心を鬼にできた

だけどもうダメだ・・・

モクの扱いにお手上げだった

そんなこと言わないで、だっこだっこー