生後6ヶ月を過ぎようとしていた頃
モクは極度の甘ちゃん(甘えん坊)となり
常にスキンシップを求めてきた
一日中ベタベタと付きまとい
私にロックオンしたその監視システムは
大手のセキュリティー会社を彷彿とさせた
鏡に映る私とモク
絶対目合ってるよね?・・・
そんなモクが一人で眠れる訳もなく
私が動き回っている間は監視をしつつ
船を漕ぎながら待っていた

私が座ることでやっと眠りにつく
この感じ、嫌われているとは到底思えない
むしろ好かれすぎて困っているぐらい
それなのにどうして噛み付いてくるのか?
不思議でならなかった
-事件勃発-
夜は一階のケージの中で寝かせていた
ある日、寝る前にいつも通りモクを抱っこして
ケージの中に入れようとした
すると、ものすごい勢いで噛みついてきた
“はぁー・・・またか・・・”
あれも嫌、これも嫌
一体どうしろというのか
この先もずっとこの調子だったらどうしよう
エスカレートするモクの噛みつきに不安になった
『だから、これだけは譲らない!』
そんな気持ちであの手この手を使い
ケージの中に入れ続けた
そうしているうちに寝る準備をすると
明らかに嫌な顔をするようになった
そして3日ほど経ったある日の夜
ケージの中に入れた瞬間
「ギャンギャンギャンギャン」と騒ぎながら
自分の尻尾をかじって回転していた
一体何が起こっているのか?
初めて見る光景に唖然としたアホ夫婦は
傍観することしか出来なかった
“いつかは受け入れてくれるだろう”
そう信じていたからこそ心を鬼にできた
だけどもうダメだ・・・
モクの扱いにお手上げだった
