You are currently viewing 突き付けられた、独りよがり-vol.37-

突き付けられた、独りよがり-vol.37-

●1歳1ヶ月目●

【犬=散歩が命】

てっきり好きだと思ってたよ

あぁ、時間と場所に問題があったのね

そりゃ、申し訳ねぇ

モクは『超』がつくほどエネルギッシュ

家の中だけでは運動量が足りないと思い

夜の散歩を日課としていた

デビューしたての頃は全く歩かず

条件付きでどうにか歩いてもらえるようになった

その条件とは・・・

アホ夫婦がセットでモクの護衛をすること

どちらか一人ではダメなのだ

二人じゃないと家の前にへばりついて

一歩も歩かなかった

ひっひとり足りぬ・・・家から出ん

そんなことを言っても

旦那さんだって遊んでいる訳ではない

仕事から帰ってくるのはそこそこ遅い時間

帰ってくるなり休む間もなく護衛に当たっても

外は既に真っ暗だった

ーある日ー

とぼとぼとぼ『グギッ』

昔からドジ子と言われて育った私は

おなじみの道にも関わらず足をくじいてしまった

もちろんライトは持っていた

だが、私たちの足元を照らすというよりは

何でも食べるモクの口元を照らしていた

・・・ん?

ドジじゃないじゃーん

危うく洗脳されるところだったが

見えてないんだから仕方がない、と開き直る

そうして護衛隊不足という

危機的状況に陥った散歩は一旦休むことになった

すると驚いたことに

あんなにひどかった夜中の尾追いが

みるみる減っていったのだ

わんこは明るいところより

暗いところの方がよく見えると聞いたことがある

だから暗闇に恐怖は感じないと思っていた

それはとんだ勘違いだったようだ

運動量よりモクの気持ちを気使うべきだった

『モクのため』

良かれと思ってしていた散歩

それはありがた迷惑でしかなかった

ドジ子(仮)の足くじき事件は不幸中の幸い

この事件がなければ

未だに歩き続けていたことだろう

そういうことなのよぉ