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八方塞がり-vol.32-

●生後10ヶ月目●

題『光を失ったアホファミリー』

土砂降りの中を

当てもなく彷徨うモク

深い霧に包まれ

モクへの道標を失った私

そんな状況に

ただただ手をこまねく旦那さん

こんな詩的な表現がピッタリだった

だけどアホファミリーに”暗”は似合わない

なんとかしたいけど手詰まりだ

そこで再び先生に相談しに行くことにした

行ったところで変わらないと分かっていても

他に頼れるところがなかった

先生はカウンセラー?

いやいや獣医師さんです

私は溜まっていたストレスを

吐き出すかのように話し続けた

気付けばものすごい時間が経っていて

申し訳ないことをしたと反省しています・・・

相談の結果

モクの尾追いの引き金になるのは怒りなので

その怒りを緩和させるサプリメントを

飲ませてみようということになった

サプリというものに抵抗感のある古くさい私

あまり気が進まなかったが

ひとまず1ヶ月間飲ませてみることにした

毎日祈りを込めてあげ続けた

そして1ヶ月後・・・

アホ夫婦「全然変わんないじゃーん」

てへっ

君ってやつは・・・

なんとか気持ちを切り替えて

気を逸らす作戦を取り入れてみることにした

いつも通り尾追いが始まったら

モクの目の前で『パンっ』と手を叩いたり

「モク!」と大きい声で呼んだり

とにかく飛んだ理性を呼び戻そうとした

その結果、止まった!!

・・・と思ったのは初めだけ

すぐに慣れてしまう

そう、それがモク

そもそも音に対する恐怖心がないのに

効く訳がないんだ

外ではあんなにビクビクするのに・・・

そうして一度差しかけた光は幻に終わった

アホファミリーは再び

暗闇の中に閉じこもったのだった

簡単じゃつまらないでちょ