●生後8ヶ月目●
機嫌の良い日々から一転
止まったはずの尾追いが再発した
内科的な治療をしてからも
尻尾を気にするのと
体を触ると噛みついてくる所は変わらなかった
私は”それでも良い”
“モクの嫌がることさえしなければうまくいく”
そう思っていた
だが再び、太もものあたりを唸り噛るモクを見て
そんな簡単な話しではなかったことに気付いた
お腹の痛みが再燃したようだった
(詳細はその香りの真意-vol.21-)
すぐさま病院へ行き検査をしてもらった
案の定、前回同様悪玉菌が大量に発生していた
この悪玉菌というものは
体質によって発生しやすい子もいるが
ほとんどがストレスによって発生するんだとか
モクは体質なのか？
ストレスのせいなのか？
体質なら仕方がないと思える
だがストレスだとしたら？
一体何に対してストレスを感じているのだろう？
これ以上どう接すれば良いのか？
また壁にぶち当たってしまった
そして悪いことは重なるもので
この直後、長い付き合いになるであろう
尾追い生活の始まりを迎えた
それは寝ている時の物音や振動
驚きといら立ちによって引き起こされた
尻尾を攻撃しようとグルグル回転し
お尻を下げながら家中を走り回るモク
自分の飼い犬のこのような姿を
目の当たりにする割合は一体どのくらいだろう？
私はモクに出会うまで
尾追いという言葉すら知らなかった
もちろん対処法など知る由もない
そんな私はモクの行動をただ見守るしかなかった
なぜこんなことになってしまったのか？
確かではないが思い当たる節はあった
それは病院での便の検査
初めて検査をした時
聞いたことのない声をあげ、必死で抵抗していた
そんな検査を一体今までに何回してきただろう？
『検査』と言ってもモクに分かる訳がない
それはそれは苦痛でトラウマになっても
不思議ではないことのように思う
それからというもの
モクの異常行動は一日に何度も
休むことなく毎日繰り返された
パニックルーム化した我が家は意気消沈し
すっかり笑い方を忘れていた
