時は暗黒時代
ある夫婦の元に小さな自由怪獣がやってきた
夫婦は田畑を荒らす怪獣に困惑しながらも
次第にその可愛さに魅了されていった
ところが小さかった怪獣はいつしか巨大になり
暴走を止めることができなくなっていた
さて、この夫婦の運命はいかに!?
●1才3ヶ月目●
じわじわと増えた尾追いは
過去最高レベルになっていた
あの平穏だった日々は夢だったのだろうか?
天国から地獄に突き落とされた気分だった
スイッチというスイッチはない
とにかく一日中グルグルと回っていた
怒りに満ちた顔とおぞましい唸り声
私の恐怖心は段々と拒絶の心に変わっていった
“なぜこんな子がうちに?”
“私が悪いの?”
“環境に問題があった?”
そして正当化した
“いやいや生まれ持ったもの”
“いつかはやるようになっていただろう”
そして逃げた
“この子のためにもいっそのこと・・・・・”
一日中、我を失うなんてどれだけ辛いだろう
楽にしてあげた方がいいんじゃないか
この時は本気で考えていた
今思うと当時の私は正気じゃなかった
申し訳なくてモクの顔を見ると涙が出る
一生かけてモクに償わなければならない
我が家は静まり返っていた
アホ夫婦は完全に気が滅入っていた
そんな雰囲気を察してか
モクの尾追いはひどくなる一方だった
互いに刺激し、傷つけ合い
そんな状態から抜け出せずにいた
そして遂に私は爆発した