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熱き男たち〜キミはじぃじ似〜-vol.79-

急な寒さと共に再びやってきた例のワル

その正体はワルい玉の菌と書いて『悪玉菌』

このワルがいる間ほど尾追いがひどい時はない

お腹の痛みがモクをいら立たせるのだろう

いつもは平気なことでも

このワルがいる間はちょっとしたことでも

『カチン』とくるようだ

特に寝ている時はとんでもないいら立ちようで

少しでも体に触れると尾追い尾追いの大惨事

“だってさぁ、くっついてくるんだもんさぁ”

心の中でそう呟きながら

夜が明けるまで私は石になり続けるのだった

大親友を洗ったのがいけなかった?

モクのわんわん・・・

そんな私の苦労など知る由もないモクは

今日ものんきに巡回中

-見回りを終えようとした頃-

旦那さん「(部屋着の)ズボン二階まで取りに行くのめんどくさー」

私「私のそこにあるから履いていいよ」

旦那さん「じゃ、借りるねー」(←履くんかい!)

『ピコーン!』モクソック作動

ものすごい勢いで旦那さんの元に走っていき

ぴょんぴょん跳ねては私の方を『チラっ』

何度もこれを繰り返し懸命に訴えていた

モクソック『ピピー!!(そのズボンはパパのじゃありませんっ!ママのですっっっ!)』

なんて可愛いんでしょう!

このめざとさと情熱には感心します

耐えられる

これがあるから耐えられる

一日に何度も訪れる愛おしい瞬間

石化なんてどうってことない

み・て・る・よ

そんなことを考えていたら

モクと出会う前のあるエピソードを思い出した

それは遠方に住む

父方の祖母が亡くなった時のことだった

連絡を受けた私たちは

急いで荷造りをして祖母の家へ向かった

厳かな雰囲気の中

皆で喪服に着替えていると両親が騒ぎ始めた

何事かと様子を見に行った私が目にしたもの…

それは途方に暮れた、喪主の父

アロハ短パンに上だけ喪姿の、喪主の父

私「ズボンは?」

父「忘れた…」

私「は?・・・ブッッッ(笑)」

そんな中途半端な喪姿を見せられて

笑うなと言う方が酷な話

私と旦那さんは必死で平静を装った

が・・・・・

親戚のおじさん「ぶざけるな(怒)」

いい年した父が親戚のおじさんに怒られていた

そんな姿を見て笑うなと言う方がまた酷な話

限界を超えた私と旦那さんは大いに笑った

結局ズボンは貸衣装屋さんにお願いをした

上下のサイズ感が全く違い

更なる笑いを誘ったが、事なきを得た

楽しいことが大好きで

いつも笑っていた明るい祖母

父のことを良く知っているからこそ

「バカタレ」と大笑いしていたに違いない

-それから数年後-

いとこの神前結婚式に出席することになった

そこで親族の紹介を任された父

母を『ワイフ』

私を『ドーター』

旦那さんを『ドーターのハズバンド』と、

神様の前でカタコト英語を話し始めた

父は昔からそうだった

いつだって破壊的ギャグをぶっこんでくるのだ

その情熱は一体どこからくるのだろう?

感心はしても見習おうとは思わない

モクソックがいたらこう言っていたに違いない

ピピー!!(そんなじぃじが、ちゅきー!!)

好きなんかーい