急な寒さと共に再びやってきた例のワル
その正体はワルい玉の菌と書いて『悪玉菌』
このワルがいる間ほど尾追いがひどい時はない
お腹の痛みがモクをいら立たせるのだろう
いつもは平気なことでも
このワルがいる間はちょっとしたことでも
『カチン』とくるようだ
特に寝ている時はとんでもないいら立ちようで
少しでも体に触れると尾追い尾追いの大惨事
“だってさぁ、くっついてくるんだもんさぁ”
心の中でそう呟きながら
夜が明けるまで私は石になり続けるのだった
大親友を洗ったのがいけなかった?
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そんな私の苦労など知る由もないモクは
今日ものんきに巡回中
-見回りを終えようとした頃-
旦那さん「(部屋着の)ズボン二階まで取りに行くのめんどくさー」
私「私のそこにあるから履いていいよ」
旦那さん「じゃ、借りるねー」(←履くんかい!)
『ピコーン!』モクソック作動
ものすごい勢いで旦那さんの元に走っていき
ぴょんぴょん跳ねては私の方を『チラっ』
何度もこれを繰り返し懸命に訴えていた
モクソック『ピピー!!(そのズボンはパパのじゃありませんっ!ママのですっっっ!)』
なんて可愛いんでしょう!
このめざとさと情熱には感心します
耐えられる
これがあるから耐えられる
一日に何度も訪れる愛おしい瞬間
石化なんてどうってことない
![](https://mokutokurasu.com/wp-content/uploads/2022/11/img_4186-300x245.jpg)
そんなことを考えていたら
モクと出会う前のあるエピソードを思い出した
それは遠方に住む
父方の祖母が亡くなった時のことだった
連絡を受けた私たちは
急いで荷造りをして祖母の家へ向かった
厳かな雰囲気の中
皆で喪服に着替えていると両親が騒ぎ始めた
何事かと様子を見に行った私が目にしたもの…
それは途方に暮れた、喪主の父
アロハ短パンに上だけ喪姿の、喪主の父
私「ズボンは?」
父「忘れた…」
私「は?・・・ブッッッ(笑)」
そんな中途半端な喪姿を見せられて
笑うなと言う方が酷な話
私と旦那さんは必死で平静を装った
が・・・・・
親戚のおじさん「ぶざけるな(怒)」
いい年した父が親戚のおじさんに怒られていた
そんな姿を見て笑うなと言う方がまた酷な話
限界を超えた私と旦那さんは大いに笑った
結局ズボンは貸衣装屋さんにお願いをした
上下のサイズ感が全く違い
更なる笑いを誘ったが、事なきを得た
楽しいことが大好きで
いつも笑っていた明るい祖母
父のことを良く知っているからこそ
「バカタレ」と大笑いしていたに違いない
-それから数年後-
いとこの神前結婚式に出席することになった
そこで親族の紹介を任された父
母を『ワイフ』
私を『ドーター』
旦那さんを『ドーターのハズバンド』と、
神様の前でカタコト英語を話し始めた
父は昔からそうだった
いつだって破壊的ギャグをぶっこんでくるのだ
その情熱は一体どこからくるのだろう?
感心はしても見習おうとは思わない
モクソックがいたらこう言っていたに違いない
![](https://mokutokurasu.com/wp-content/uploads/2022/11/image.jpg)
好きなんかーい