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怖いくらいどうでもいい話-vol.60-

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注) 若干ホラー感あります

-時は遡って平成初期-

幼い私は近所のお友達数人と公園で遊んでいた

そのうちの一人がブランコに乗って

勢いよく漕いでいた

だが、すぐにピョンっと降りて

違う遊具のところへ行ってしまった

楽しんでくれる相手がいなくなったことに

気づいているのか

気づかないふりをしているのか

その後もブランコは健気に揺れ続けていた

私はその光景に虚しさを感じた

それからというもの私は取り憑かれたかのように

ブランコの揺れをを止め続けていた

誰かが乗っていなくなると止め

また乗っていなくなると止め、を繰り返し

幼い私はブランコの番人となっていた

「もう帰ろう」「また明日ねー」

周りの声が耳には入っていたものの

止めるのに必死で振り向きもしなかった

やっとのことでピタッと止め

家に帰ろうと周りを見ると既に誰もいなかった

幸いこの病的な執念はこの一日だけだった

本当に取り憑かれていたのだろうか・・・

何故モクの尾追いを止めたくなるのだろう?

そう考えていた時に思い出した幼き頃の奇行

そして思った

“あぁ、止めたい病が再発したんだ・・・”

そんな私は今日も、、、

グルグルと回るモクを、、、

無言でジッと見下ろすのだった、、、

こわっ!