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距離感ゼロミリメートルが生んだ、豊かな暮らし-vol.58-

『モク今すっごくしあわせー』

「私今すっごく寝不足ー」

『モク最近すっごくあんしーん』

「私最近すっごくハラハラー」

一緒に寝始めてから尾追いが激減した

モクの心が安定したようだ

だが、その安定は私の眠りを妨げた

今までの寂しさを打ち消すかのようなベタつき

離れても離れてもすぐにピタッと磁石

寝初めのお決まりポーズは私の腕枕

少し不安な時は私の片足を抱っこしてギュッ

もっと不安な時は私の首の下の隙間に鼻をスポッ

そして突然訪れるハラハラ瞬間

体をバタバタさせながら息が荒くなるモク

次の瞬間・・・

『ダンッ』

体が浮くほど激しい飛び起き

おそらく悪夢

飛び起きた時に私と目が合うと再び眠りにつくが

一人で寝ていた時の激しい尾追いは

これが原因だったんだと思う

私の存在がモクの安心材料になって良かった

私も安心して眠ることができる

が!!!

意外と重いモクの頭

夜中に”イテテテテ”と腕の痛みで目が覚める

ゆっくり腕を引き抜きモクに背を向ける

“あぁ、やっと楽になった・・・”

その瞬間、背後でむくっと起き上がるモクの気配

“まさか来ないよね?”

とぼとぼとぼ ..

ぽすっ、へへ

時間差磁石・・・

“勘弁してくれー”

心の中ではそう叫ぶも本当は幸せ

ある日の明け方

寒いと言って目を覚ました旦那さん

モクに「パパのところに行ってきて」と言うと

旦那さんの布団の中に入りに行った

お陰で体が温まりぐっすり眠れたとか

あの暗黒時代が嘘のようだ

なんてことない日常がとても幸せ

モクはおもちゃ散らかし屋

中にはゴツゴツのおもちゃが混ざっている

今日もそのゴツゴツを踏んで

『いてー』とケラケラ笑うアホ夫婦

そんなハッピートラップが家中に存在する

そしてそのトラップに引っかかる度に

ヤイヤヤイヤと喜ぶアホ夫婦なのだった 

今日はどこにちかけよっかな