You are currently viewing 熱帯夜、ねむたいや、しんどいや-vol.86-

熱帯夜、ねむたいや、しんどいや-vol.86-

【夏季限定】

-ゲストハウスMOKU-

「今年も営業開始しまーす」

開店するや否や、馴染みの客がやって来た

彼の名は、尾追い暴君

【売り上げ貢献度No.ワン賞】を

4年も連続で獲得している強者だ

だが、態度の悪さもNo.ワン

さて、

今年こそは入店を断るか?

売り上げアップの為に我慢をするか?

モクオーナーの決断は…

うりあげー

昨年の異常気象を上回る猛暑が続いたこの夏

私は初めて夏バテというものを知った

食欲もなく無気力状態が続き

少し動いただけで猛烈な疲労感に襲われた

ある時は2階へ行くにも足に力が入らず

自分の手で太ももを持って上ったものだ

後に知ったが

これ、軽い熱中症症状なんだとか

驚きと同時に自分の無知さに恐怖を感じた

人間の私でさえこんなに堪えるのだから

モク、大丈夫かな…

そうていがい

うん、かなりの想定外

暑い日に限って狂ったように遊び回り

いつもの数倍は楽しんでいた

食欲も変わらず

ご飯の時間が近づくとウキウキそわそわ

胸を躍らせ待ち望んでいた

そんな姿が微笑ましくもあり有り難くもあった

だが夜になると全てが一変

モクの尾追いの激しさと頻度によって

微笑みは消え

有り難みは焦りに変わるのだった

『寝苦しい、

暑くて尻尾を毛布で隠せない、

暑くてくっついて眠れない。』

そんなイライラと不安からか

1時間おきに尾追いをする日が続いていた

約一ヶ月もそんな状態が続き

気付けば初秋

色々な意味で限界に達した我が家は

遂にエアコンを設置することに

来年の夏は穏やかに過ごせますように

尾追い暴君をやっつけよー!

モクのうりあげ…