壊れた回転モク馬-vol.28- が光を放ち始めた
メロディーはまだない
だが、確実に大きな一歩を踏み出していた
尾追い自体落ち着いてはいたが
日によってまちまちな状態が続いていた
これまで尾追いを減らすために
色々な作戦を実行してきたがどれも惨敗
これと言った成果は得られずにいた
だが、モク自身が変わった今
新たな作戦を実行することにした
これは私の手を噛まなくなったから出来ること
声が届くようになったから出来ること
【愛情で包み込み作戦】
モクの尾追いの大半は自分の尻尾を睨みつけ
ゆらゆら揺れた尻尾を
カプッと噛む仕草から始まっていた
いつも私にべったりなモク
『ゔー・・』と唸り
キッと睨みつけ、尻尾ゆーらゆーら
これをし始めたらサッと尻尾を手で覆った
明らかに困惑するモク
モク「はて?ちっぽはいずこ?」
その困惑がいら立ちを忘れさせたようだった
今やそれが習慣となり
ゆーらゆーら『やるか!?』という時に
手をパッと出すだけでやめるようになった
初めて作戦に手応えを感じた
モクの特効薬はブランコをも止めた
私の魔法の手だった
(怖いくらいどうでもいい話-vol.60- 参照)
眠っている時の突発的な尾追いに関しては
減らすことは出来ていない
だが、ただでは引き下がらない私
尾追いをし始めたらモクを抱き上げて
目と歯を剥き出しているモクが
正気に戻るまで抱きしめるようにしている
温もりが安心感を与えるのだ
-1ヶ月後-
モクの中で『尾追いはいけないこと』
そういう意識付けが出来たようだった
以前は全く効果のなかった「ダメ」
その一言で
おやつケースの前にちょこんと座るようになった
やめられるんじゃん?
その光景を見て首を傾げるアホ夫婦
「なにが?」と同じく傾げる可愛いモク
そこで分かったこと
いら立ちによる尾追いは
モクの意思次第でやめられるようだ
睡眠中の突然的なものは悪夢、音などの驚き、
お腹の痛みなどが関係していると思われる
こればかりはどうしようもない
付き合っていくしかないよね